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宇佐美 博士; 森下 祐樹; 鳥居 建男; 杉田 武志*; 小林 育夫*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、東京電力福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置に係る放射性物質の効率的な除染技術開発の一環として、これまで主に個人・医療被ばく線量測定の分野において利用実績のあるOSL(Optically Stimulated Luminescence)線量計を応用した「線強度分布の可視化技術」の開発を行っている。OSL線量計は数10Gyまでの高線量場でも使用可能、かつ電源が不要であるという特徴を有しており、今後1Fの廃止措置を進めていくにあたりその開発意義は非常に大きいと考えられる。今般、OSL素子に対する照射諸特性試験とPHITSコードによるレスポンス解析、これらに基づくピンホールカメラの試作を行ったため、その結果について報告する。
齋藤 龍郎
no journal, ,
自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会では、核燃料サイクルから発生する廃棄物の放射線防護に関する問題点について、放射線防護の視点から討議を進めている。今後の検討課題について整理・紹介するとともに、企画中のシンポジウムについて紹介する。
佐藤 薫; 高橋 史明; 古場 裕介*; 小野 孝二*; 吉武 貴康*; 長谷川 隆幸*; 勝沼 泰*; 笠原 哲治*; 奥田 保男*; 仲田 佳広*; et al.
no journal, ,
国内でのCT診断による患者被ばく線量の計算を目的として、原子力機構が放射線医学総合研究所(量子科学技術研究開発機構: QST)等との共同研究の下で開発したwebシステムWAZA-ARIv2がQSTの公開サーバーで運用されている。WAZA-ARIv2では、日本人平均身長を有するBMIが18, 22, 28, 37相当の成人男女ファントムの臓器線量データに基づいた評価が可能である。今回、我々は、任意体格の成人患者の線量計算に対してもWAZA-ARIv2を適用できるように機能を拡張するため、開発した体格変形ファントムのボクセルの高さ及び水平方向の長さを調整することで、成人日本人の約99%が含まれる体格範囲(男性: 153-187cm及び41-89kg、女性: 140-170cm及び33-73kg)を模擬し、この範囲の体格変化が臓器線量に及ぼす影響を解析した。その結果、全身撮影条件で男性の肺線量は、身長の変動に関係なく4%以内となる一方、体重が40kgから90kgに増加した場合の減少率は36-47%であった。同様の傾向は甲状腺でもあり、体重変化に伴う皮下軟組織厚の変化が線量に対して大きな影響因子になることがわかった。
古田 琢哉; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
モンテカルロ放射線輸送計算による線量評価研究では、ボクセル形式の人体ファントムが利用されてきた。しかし近年、薄い膜組織や小さな臓器の表現により優れているポリゴン形式の人体ファントムの開発が進んでいる。国際放射線防護委員会(ICRP)でもポリゴンファントムを標準モデルとして採用することが想定されており、今後の線量評価研究ではポリゴン人体ファントムが主流になると予想される。そこで、ポリゴンの一種である四面体メッシュ体系を取り扱う機能を放射線輸送計算コードPHITSに導入した。この導入に際し、輸送計算アルゴリズムを工夫することで、ボクセル形式の同程度の精密さを持つ人体ファントムを用いた輸送計算に比べて、計算時間を1/4に短縮することに成功した。また、日本人ボクセルファントムを基に独自のポリゴン人体ファントムの開発を進め、作成手順を確立した。平成30年度末の完成版の公開を目指している。
富田 純平
no journal, ,
放射性物質の取り込み等の緊急時には、作業者の迅速な内部被ばく線量評価が求められる。本研究では、試料採取が比較的簡便な尿試料を対象とし、UTEVA resinを用いた抽出クロマトグラフィーによる迅速な化学分離及び誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)によるPu迅速測定を組み合わせた尿中Pu迅速分析法を開発した。尿試料(-1.6L)中Puと化学収率補正用トレーサーPuを同位体交換するために、尿試料を0.2M NaOH溶液に調製・加熱後、pH=1とし、Puをリン酸塩共沈により回収した。回収したリン酸塩を溶解・濃縮後、Al(NO)を試料中リン酸イオンと同程度のモル数添加することで、UTEVA resinによるPu分離・精製時の回収率を向上させることができた。合成尿(1.6L)に既知量のPu(Pu, Pu)及びウラン(U)を加え、本手法により分析したところ、Puの回収率は平均73%、Uの除染係数は平均1.810、実験ブランクの標準偏差の3から求めたPuの検出限界は0.25pg、分析に要した時間は15時間程度であった。
滝本 美咲; 山崎 巧; 高田 千恵; 岡田 和彦; 遠藤 章; 吉澤 道夫; 百瀬 琢麿
no journal, ,
大洗研究開発センター燃料研究棟で事故が発生した2017年6月6日に核燃料サイクル工学研究所の放射線保健室において作業員5名の肺モニタ測定を行った。その結果、Pu及びAmを最大でそれぞれ2.210Bq、2.210Bq検出したと公表した。しかし、翌日、量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所の実施した肺モニタ測定ではPuの明確なエネルギーピークが確認されず、受け入れ時の体表面汚染検査にて胸部等から線放出核種が検出されたことから、事故当日の肺モニタ測定結果は体表面汚染の影響を受けていたと考えられる。そこで、この体表面汚染の原因を検討するとともに、事故当日の測定条件及び解析結果から肺モニタ解析結果と体表面汚染との関係を評価した。
浜田 信行*; 坂下 哲哉*; 佐藤 達彦
no journal, ,
国際放射線防護委員会(ICRP)が視覚障害性白内障を防止するための作業者に対する水晶体等価線量限度の引き下げを2011年に勧告したことを受け、法体系への取り入れやそれに向けた議論が各国で進められている。しかし、放射線被ばくと水晶体の応答との関係は明らかになっていない。そこで本研究では、細胞を混濁させる「損傷」の概念を導入し、モンテカルロ法を用いて計算した損傷数の時間変化から白内障発生率を推定する数理モデルを開発した。そして、開発した数理モデルを用いて、白内障自然発生率や放射線誘発白内障の線量応答に対する疫学データを再現することに成功した。
田村 健; 根本 典雄; 磯崎 航平
no journal, ,
オートラジオグラフィ(以下、「ARG」という。)とは、放射線を放出している物質を画像化・視覚化する技術であり、プルトニウム取扱施設の放射線管理においてスミヤ, 空気ろ紙等に付着したPu粒子の位置的な分布の観察に利用している。従来の技術は、ポラロイドフィルムとZnS(Ag)シンチレータで構成され、シンチレータに放射線(線)が当たった時に発する微弱な光をフィルムに感光するものである。そのため、フィルムの個体差(キズ・写真のぼやけ)や在庫の確保、廃棄物が発生することが問題となっていた。そこで、デジタルカメラを用いたARGを検討したが、長時間露光時の撮像素子温度に起因するノイズによる画質の劣化が課題であった。そこで本研究では、撮像素子を冷却することで長時間露光における暗電流を抑制し、ノイズの少ないデジタル画像を得ることのできる冷却CCDカメラを用いたARG技術を開発し、放射能強度の低いPu粒子を画像化・視覚化することを目指した。
吉富 寛; 谷村 嘉彦; 星 勝也; 青木 克憲; 辻村 憲雄; 横山 須美*
no journal, ,
眼の水晶体被ばくは、検討されている線量限度引き下げに伴い、福島第一原子力発電所構内のような高線量率場での作業において、どのように評価するかが大きな課題となっている。場の光子スペクトル情報は、線質の観点から適切な水晶体モニタリング法を検討し、防護対策を立案するための基礎データとなる。本研究では、福島第一原子力発電所構内の高線量率作業場において光子スペクトルを測定し、実用量(Hp(3)及びHp(10))及び防護量(水晶体等価線量)を評価した。前方-後方照射(AP)を仮定した場合、実用量が防護量を過小評価することはなかった。回転照射(ROT)及び全方位照射(ISO)を仮定した場合、防護量のHp(10)に対する過小評価は10%程度にとどまり、これらの場では、Hp(10)を用いた水晶体モニタリングが可能であることが示唆された。
高畠 英治; 伊東 康久; 川崎 位; 高田 千恵; 橋本 周; 高崎 浩司; 吉澤 道夫; 百瀬 琢麿
no journal, ,
はじめに2017年6月に発生した原子力機構大洗研究開発センターでの汚染・内部被ばく事象において、作業員5名は半面マスクを着用していたにも関らず、内部被ばくした。この放射性物質の体内への摂取に至った要因の推定に資するため、事象発生当時に作業員が着用していた防じん用半面マスクの防護性能について試験((1)着用状態の違い等による面体と顔面の密着性、(2)飛散した粒子の面体内部への侵入、(3)顔面に付着した粒子の面体内部への侵入)した結果を報告する。
辻村 憲雄; 吉富 寛; 星 勝也; 青木 克憲; 谷村 嘉彦; 西野 翔; 横山 須美*
no journal, ,
RANDOファントム頭部の目の近傍(眉間および目尻)に3mm線量当量用個人線量計等を取り付け、平均エネルギー83keVから1.25MeVの光子を照射し、その指示値を得た。照射ジオメトリは、AP及びROTとし、さらに、東京電力福島第一原子力発電所で広く使用されている全面マスク(二種類)をファントムに被せることでマスクによる遮へい効果も調べた。その結果、線量計の指示値は、その取り付け位置やマスクの有無にあまり影響されないことが分かった。なお、本発表は連続する5件の発表の5番目である。
松谷 悠佑; 浜田 信行*; 伊達 広行*; 佐藤 達彦
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2011年の福島第一原子力発電所事故後、比較的高い比放射能をもつ不溶性微粒子(セシウムボール)が発見されているが、セシウムボール被ばくによる生体影響は不明である。セシウムボールが長期的に組織表面に付着すると、その近傍で線量率が局所的に高くなるため、培養細胞を用いた生物実験が必要である。本研究では、生物実験の予備的検討のため、セシウムボール被ばく下での細胞核線量と核内DNA損傷数の空間分布について、PHITSによる線量計算、北海道大学で開発したDNA損傷数の動態モデルを用いて推定した。その結果、セシウムボールによって誘発されるDNA損傷数を実験によって検出することが期待できる結果を得た。今後、この推定結果に基づき、セシウムボール被ばく下における生物学的影響の調査に着手する予定である。
星 勝也; 辻村 憲雄; 青木 克憲; 吉富 寛; 谷村 嘉彦; 横山 須美*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃炉関連作業において、放射線業務従事者が高い水晶体等価線量を受けたり、ベータ線による不均等被ばくを受けたりする可能性がある。本研究では、福島第一原子力発電所内でのベータ線による被ばくを検証するため、作業現場におけるベータ線スペクトロメトリを行い、得られたスペクトルデータから、作業場所の主たる放射性物質の推定及び水晶体等価線量の評価等を実施した。
吉田 浩子*; 篠原 直秀*; 真辺 健太郎; 桧垣 正吾*
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福島第一原子力発電所(FDNPP)事故による避難指示を解除し、今後住民の帰還及び居住を進めていくにあたっては、住家内の汚染状況調査及び居住に伴う線量評価が重要である。本研究では、汚染状況調査の結果を基に、ハウスダストや人の活動により再浮遊したエアロゾルの摂取による内部被ばく線量を評価した。その結果、180m以下のハウスダストを20mg/日で1日摂取した場合、及びハタキがけにより再浮遊したエアロゾルを吸入した場合、Csによる預託実効線量はそれぞれ0.9Sv及び3.2Svとなった。また、再浮遊エアロゾルにわずかに含まれる不溶性粒子による線量は確率的に変動するが、その99パーセンタイル値は4.1Svとなった。本発表では、住家のFDNPPからの距離など、住家の特徴と線量の関係についても報告する。
横山 須美*; 江崎 巌*; 青木 克憲; 立崎 英夫*; 平尾 茂一*; 立木 秀一*; 吉富 寛; 星 勝也; 谷村 嘉彦; 大口 裕之*; et al.
no journal, ,
本研究では、放射線業務従事者の適切な水晶体の等価線量モニタリング、管理及び防護の在り方を探ることを目的とし、各分野の実態調査を実施している。この一環として、東京電力福島第一原子力発電所において、作業者の水晶体の被ばくの実態調査において、個人線量及び場の測定・評価分析を行うとともに、校正場での実験研究を実施した。その概要及び個人線量測定結果について発表する。
江崎 巌*; 青木 克憲; 立崎 英夫*; 立木 秀一*; 平尾 茂一*; 吉富 寛; 星 勝也; 谷村 嘉彦; 大口 裕之*; 辻村 憲雄; et al.
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の作業者の水晶体の被ばくの実態把握のため、線による被ばくが主となるSr-90/Y-90汚染水タンク解体作業を行う作業者及び線による高線量被ばくを伴う可能性のある作業者の線量測定を実施した。個人線量の測定にあたっては、頭部3か所に水晶体等価線量測定用熱ルミネッセンス線量計(DOSIRIS)、頭部及び胸部1か所に蛍光ガラス線量計(ガラスバッジ)及び胸部または上腕部1か所に電子線量計(APD)を所定の期間着用してもらった。本発表では、各種個人線量計の装着方法を示すとともに、線量計の特性を踏まえ、線量計間での測定結果を比較する。
木内 伸幸; 橋本 周; 酒井 俊也; 吉澤 道夫; 百瀬 琢麿
no journal, ,
大洗研究開発センター燃料研究棟における汚染・内部被ばく事故について、事故の発生状況を報告する。
高田 千恵; 石川 敬二; 助川 和弘; 野村 紀男; 高崎 浩司; 住谷 秀一; 吉澤 道夫; 百瀬 琢麿
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大洗研究開発センターの汚染・内部被ばく事故について原子力機構は、プルトニウム汚染をもたらした貯蔵容器内の樹脂製の袋の破裂及び作業員の内部被ばくに加え、体表面汚染の残存等、事故発生後の処置の問題も含めて原因究明を行い、直接的な原因を14項目に整理した。さらにその背後にある組織的な要因として18項目を抽出し、これらの原因に対する再発防止策を策定した。本発表では、その概要とともに、新たに作成した身体汚染発生時の措置等、特に保健物理分野に関係のある項目に絞り、我々が得た教訓と今後に向けて準備・開始している対策について報告する。
永岡 美佳; 藤田 博喜; 栗原 治*
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放射線業務従事者等が内部被ばくをした可能性のある場合には、緊急被ばく医療の対象となる者を迅速に選別し、また、早急に線量を評価することが求められる。その際に、対象者の尿や便中の放射性物質濃度を測定するバイオアッセイが必要不可欠である。この分析において、内部被ばくから測定結果を出すまでの時間の短縮が課題となっており、これまでにわれわれはその迅速化に向けて取り組んできた。本発表では、ストロンチウム-90を対象とした迅速分析法の検討結果を報告する。
迫田 晃弘
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通常、ラドンによる被ばく評価は、吸入されたラドン子孫核種の気道沈着、すなわち肺が対象となる。一方、ラドンは皮膚吸収、子孫核種は皮膚沈着することも知られており、ラドン温泉のような環境に対する被ばく評価では皮膚の考慮も重要と考えられる。本研究では、既報のヒトに対する水中ラドン曝露の実験データに基づき、子孫核種の皮膚沈着による被ばくを検討した。子孫核種の沈着挙動をモデル化し、モデル計算をヒト実験データにフィッティングさせ、関連パラメータ(沈着係数)を得た。水中ラドンの皮膚吸収が実験データに及ぼす影響も検討したところ、無視できる程度であることが分かった。今回得られたパラメータ値を用いて、皮膚の被ばく線量も計算する。